沙流川の歴史・文化的景観を学ぶ
1地図を見ながらアイヌ語地名を確認
2 文化的景観二風谷地区
2 文化的景観二風谷地区
沙流川の歴史・文化的景観の解説は、博物館となりの「沙流川歴史館」で行われた。ここでは沙流川筋沿いに拓けていった歴史を学ぶことができ、平取町内で出土した一万年前ほど前からの考古資料を見ることができる。
まず、平取町の地質の変遷や出土した土器などを見学した。沙流川流域のあちこちに遺跡があることがわかる。また、沙流川流域の地図には対応する沢のアイヌ語地名が記されており、小さい沢にもアイヌ語で名前がつけられていることがわかる。
その後、建物の屋上にあがり、二風谷湖と対岸の森林を見ながら、国の重要重要文化的景観に選定されている「アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の文化的景観」について学んだ。重要文化的景観とは、国が選定する景観の文化財で、生活や生業・風土によって形成された景観が選ばれている。平取町の文化的景観はアイヌの伝統と近代開拓が景観を形づくっているが、今回は特にアイヌの伝統がわかる景観について解説を受けた。
漫然と眺めていると普通の森林に見える景観だが、少しへこんで見える沢や崖などにつけられたアイヌ語の地名を聞くと、そこで生活していた情景が浮かんでくるから不思議だ。アイヌ語地名はそのありさまを元につけられたので、現在地形が変わってしまった場所も、当時どのような様子だったのかが推測できるそうだ。親子の熊が登っている姿のがけや、神様のオキクルミカムイが弓で射抜いた山など、ユニークな名前もあり、アイヌ文化の伝承地が多く点在していることがわかる。