オホーツク地方には「オホーツク沿岸の古代遺跡群」「ピアソン記念館」「屯田兵村と兵屋」など多くの北海道遺産があり、歴史、自然、文化さまざまな分野で、また季節に応じた楽しみ方ができる。
今回は、2008年9月末に、遠軽地域で開催されたモニターツアーの様子を交えながら、オホーツク地域の北海道遺産の魅力を紹介したい。
世界に運ばれた黒曜石〜「白滝遺跡群」
2 黒曜石の出土品。
遠軽町「白滝遺跡群」は、湧別川の河岸段丘上に分布する旧石器時代(2万5千〜1万年前)を中心とする遺跡群で、93ヵ所の埋蔵文化財包蔵地が確認されており、「オホーツク沿岸の古代遺跡群」のひとつとして北海道遺産に選定されている。
今回のモニターツアーは、そうした遠軽地域の歴史や自然をテーマにした観光の可能性を探る目的で開催された。
まず訪れたのは白滝総合支所。専門家の解説を受けながら、これまでに発掘された貴重な黒曜石の出土品を見学する。鋭利な鏃など、精巧なつくりに当時の技術の高さを感じる。その後、国内でも最大級の黒曜石原産地「赤石山」へ。山頂付近には黒曜石のガレ山が広がっている。山頂から少し下ったところには、大きな塊がたくさんあった。“球が”といわれるものもはっきり見ることができた。今回はバスで行ったが、当時はどうやって運び出したのだろうかなど、考えさせられた。
翌日は、実際に赤石山で採れた黒曜石を使っての石器づくり体験。まずは大きめの塊を石ではがすようにしながら小さめの石片を作る。そして、鹿の角などを使って少しずつ角を作るようにしながら石器を形作っていくがこれがなかなか難しい。ちょっとした力の加減で大きく削れてしまったり、割れてしまったりする。最後にはなんとかそれらしい形になったが、専門家の方に見てもらうとまだまだとのこと。しかし、ツアーの参加者もしばし時間を忘れて石器づくりに没頭した。大人でも十分楽しめる体験メニューであった。
その後、町内の牧場でじゃがいも掘りを体験した後、丸瀬布地域へ。