「ワッカ・小清水原生花園」(北見市、小清水町)
地域をあげて、花々の育つ環境を守っている。
北見市のワッカ原生花園は、オホーツク海とサロマ湖を隔てる長さ20kmの日本最大の海岸草原である。「ワッカ」はアイヌ語の「ワッカ・オ・イ(水が・ある・ところ)」を語源とする。右手に海、左手に湖、水平線と平行に海岸草原が長い架け橋のように続いている。まさに、花と水の楽園である。かつてこの地を訪れた明治の文人大町桂月は、この景観に感嘆し「龍宮街道」と名付けたという。
小清水町の清水原生花園は、網走市より東南に約15kmの位置にあり、北はオホーツク海に面し、南は濤沸湖に挟まれた東西に長い砂丘の上に発達した海岸草原で、幅は最高約200m、長さ約8km。一時期、外来種の牧草が増加し、自然の花々が減少した。町の人々は、植生回復の方法を模索し、試行錯誤のすえに計画的な野焼きや帰化植物の除去により、花々をよみがえらせることに成功した。